東大、日本人の筋骨格再現したロボット開発
筋肉ごとの力を計測 スポーツやリハビリの研究に利用
- 科学&新技術 日本経済新聞
- 2017/12/24 20:33
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ヒューマノイドの腱悟郎は人の動きを精彩に再現できる(稲葉研究室提供) |
東京大学の稲葉雅幸教授らは日本人の筋骨格の構造を再現したロボットを開発した。それぞれの筋肉や骨の長さなどを日本人の平均的な数値と同程度にした。顔と手以外で114通りの関節の動かし方があり、人のような姿勢や運動ができる。動きの解明や運動の評価ができるため、スポーツやリハビリテーションの研究に役立つ。
開発したロボット「腱悟郎」は高さ167センチメートル、重さ56キログラム。平均的な日本人男性を参考にした。骨格はアルミニウムや炭素素材、筋肉は化学繊維のワイヤなどを使った。モーターでワイヤを巻き取ることで筋肉を動かす仕組みで、搭載したセンサーでワイヤにかかる力を計測できる。
日本人の身体データと比較すると、それぞれの筋肉や骨などの長さの差は約1%しかなく、重さも約16%重い程度。人体にある筋肉の種類の約39%を備える。小指を動かす筋肉など細かい部分を除いた代表的な部分を再現できたという。
筋肉ごとにかかる力を計測できるので、運動の解析に役立つ。既存の筋電位を測る手法などでは、詳細に調べるのは難しかった。
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