脳卒中後遺症治療に関し活発に批判できる土壌が必要
◆皆さん日頃から痛感されているように脳卒中の決定的な治療法は未だありません。
一方マスコミなどでは、新しい治療法が出てくると、すぐに飛びついて、これは奇跡の治療か!?と大騒ぎします。そしてしばらくして熱狂が冷める。その繰り返しです。
一方、患者側である脳卒中後遺障害者を考えてみますと、その脳の損傷の程度と部位は人それぞれ、障害も片麻痺や失語等本当に様々で、その程度も百人百様です。
我々脳卒中障害者は、基本的にこのような状況に置かれています。
ですから一つの治療法について、やや感情的とも思える色々な批判が出るのは当然なのです。
マスコミ等で、自信満々の医師の話が取り上げられて、期待値は上がり続けます。ですから、うまく行かなかった失望は大きい。
◆私の知人は、数年前、磁気治療( rTMS 反復経頭蓋磁気刺激療法)を初期の段階でを受けました。事前に東京で診察を受け、実際の治療は、九州まで出向いて1ヶ月入院して受けました。
治療側はエビデンス(治療効果があることを示す証拠、検証結果)のために、効果が挙げられそうな障害の軽い患者を事前に選別します。彼は東京での事前診断にパスし、実際の治療は、遠く九州の病院で受けました。
普段非常に冷静で、「新しい治療法に過度な期待はしな」と公言していた彼でしたが、このときばかりはえらく感情的になっていました「40万近くのお金を失った。全く役に立たない治療だ」と憤懣遣る方無い(ふんまんやるかたない)様子でした。
この様に、期待が大きいだけに失望も大きく、多少感情的になるのは致し方ないことだと思います。逆に、彼と違い磁気治療の効果があった人も当然いるでしょう。
◆最近、「他人が受けようとする治療法を批判するな」という意見があるようですが、我々患者全体で考えると、効果があったという意見と、効果がないという意見の双方の意見が出てくることが一番望ましいと思います。
脳卒中後遺症患者の判断を助けるために、治療法に関して活発な意見が出る土壌が大切だと思います。その際、多少感情的になる面もあるということです。
脳卒中ブログ村で、「治療批判は差別」などの意見がありましたが、全く的外れです。そんな意見で多様な批評を封じ込める事などあってはなりません。
それじゃ~また
おっしゃる通りですね。全く同感です。貴重な意見をありがとうございます。
by 山下真 (2019-10-29 07:06)
ありがとうございます。教科書的な理屈や自慢話でなく実際の体験を率直に披露しあえることが大切だと思うのです。
by meganesaru707 (2019-10-29 09:53)