自宅でのトッレドミルによる歩行リハビリ(2) [脳卒中ブログ村]
自宅で家庭用トレッドミル(低速電動ウオーカー)による歩行リハビリはじめています。
トレッドミルのベルト幅は、リハビリ室のものは63cm、このマシンは53cmで10cm狭いのですが、これが家庭用では現時点では最大級であろうと思います。
ただ家庭用トレッドミルは、より速さを感じるのです。退院後も月1度リハビリ室のトレッドミルに乗りましたがこちらは時速1.4kmでもゆったり感じるのです。
それで無理せず、時速、1.0km、1.2km、をこなすことを第一に考えました。このスピードで歩容の基礎を固めるつもりです。
朝一は時速1.0kmで5分を2セット、午後に時速1.2kmで5分を2セットを基本として、室外の歩行リハビリのあと調子が良ければ、時速1.4kmを1本こなす。そんな目標を立てました。
自分で膝を曲げれないためトレッドミルのスピードが上がると、棒足で地面を叩きつけるような歩行になる、そして歩行できなくなる。無理は禁物です。
安全性ですが、このトレッドミルは、スイッチや腰ベルトなどの安全装置が3つ付いています。これも購入のポイントでした。
リハビリメニューの変更 2018年6月以降 [脳卒中ブログ村]
リハビリ入院の後に大幅に自主リハビリのメリーを変えることにしました。
前年のリハビリ入院時、多くの理学療法士(PT)から「ゆっくりでもいいから正しい歩行を続けていけば、スピードは自ずと上がってくる」とアドバイスされており、この一年間ゆっくり正しくを心がけてきたのです。
しかし、今回の入院でスピードは全く上がっていないし、少し早く歩こうとすると姿勢が崩れる。つまり前回入院時から進歩していない事がはっきりしたからです。
それで一日のリハビリ・メニューを次のように変更しました。リハビリしていて多少効果があったものに絞り込みました。「少量頻回」が基本です。
(1)低周波治療 30~45分
朝、麻痺側の足首関節やひざ関節、足の指等に低周波治療機により刺激を入れる。15分✕2~3本 テレビを見ながらやっています
(2)室内ストレッチ 30~40分
・しゃがみこみ(足首関節を体重をかけて曲げる)数分
・正座(太ももの前の筋肉を伸ばす、膝関節を曲げる)数分
・座禅のポーズ(左右片方ずつももに乗せる)数分
・仰向けに寝て 足の曲げ伸ばし
・横向き 麻痺足を上げる10回
・うつ伏せ 腕の肘関節を伸ばす 10分、麻痺足を上に上げる10回
(3)トレッドミル・トレーニング 20分
低速(時速1.0~1.2km)で5分✕4本
(4)室外歩行リハビリ 全体で1時間 50m程度の短い距離を繰り返す。
・3動作前型歩行(3点歩行)
ウオーミングアップとしてゆっくり正しく歩く
・坂道の上り
麻痺足に体重をかけ3動作てゆっくり登っていく。
・坂道の下り
自然と体は前に出ようとするので、3動作で左右の足の振り出し協調運動を意識をする。
・健足側に横歩き
杖なく安定して歩くことができ、私の雨対策歩行で傘をさしての歩き用です。
・麻痺足側横歩き
麻痺足の横への動きをスムーズにする。体重を麻痺足にかける訓練でもあります。
・後ろ歩き
内反尖足の修正、バランス感覚スピード感を鍛える
・斜め前歩き
健足側に、できるだけ素早く歩く。今回スピード対策として必ずやるようにしました。 対向者の多い横断歩道での私の歩き方でもあります。
・2動作前型歩行(2点歩行)
仕上げです。正しい動作で10mを15秒で歩くのが目標です。
・階段
低い階段、通常の高さの階段を、杖を使い健常者と同様、1段ワンステップで数回上り下りする。関節可動域、体重の荷重、バランス等非常に有効な運動です。
これまで、毎日やっていた約600mの一般道周回コースの歩きを一時中止しています。いまは基礎として、短い距離で正しい姿勢でスピードを上げることに専念します。
以上が、基本のリハビリメニューで、これに色々なものを取り入れたり止めたりと、日々試行錯誤しています。なおやりすぎると痙性(下肢突っ張り)が強くなります。一日平均8,000歩を目安にしています。一日15,000歩を超えると転倒等要注意です。
トレッドミルによる歩行リハビリ 総括すると、諸刃の刃(もろはのやいば) [脳卒中ブログ村]
トレッドミルリハビリは、膝を曲げることができる人は、距離やスピードを向上させることが出来ます。どちらかといえば、この様に障害の程度が軽い人に向いたリハビリだと思います。
一方、私のような、ぶん回し気味に歩行している人間にとっても、トレッドミルを利用した低速歩行トレーニングにより、歩容改善の訓練に利用出来るとの感触を得ました。
ただし、私のように膝関節、足首関節を自分では曲げられずぶん回し気味の歩行の場合は、とりわけ注意が必要です。
痙性が強くなる危険が大いにあるからです。トレッドミルトレーニングは、一方では非常に役に立ちますが、他方では大きな害(痙性)を与える危険もある諸刃の刃(もろはのやいば)なのです。
トレッドミルによる歩行リハビリ(8)15~19日目 最終週 光明を見出した [脳卒中ブログ村]
15~19日目 第四週
リハビリは週5日ですので、実質最終週です。
トレッドミルによる歩行は時速1.0kmから1.2km、更に1.4kmまで徐々にスピードを上げての20分歩行を一日2本こなせるようになってきました。やれやれです。
今回のトレッドミルによる歩行リハビリは、短期間に結果を求めたせいか山あり谷ありで、結果的に大きく歩容が改善されたと言うわけではありませんが、歩くのはずいぶん楽になりましたしスピードも少し上がりました。6分走テストの結果からすると、入院時の時速1.4kmが、退院前には1.6kmと少しアップしていました。
それより私は、トレッドミルによる歩行リハビリに手応えを感じていました。
トレッドミルリハビリは、膝関節、足首関節を曲げられない私のようなぶんまわし歩行者には諸刃の刃です。無理をすると足が突っ張り痙性が進み歩きにくくなりますが、低速で歩くことで歩容の改善につながるとの確信がえられたのです。光明を見出したのです。
つまり膝関節が多少でも曲げられる人は主に「スピードと持久力向上」目的でにトレッドミルを使い、私のように膝関節が曲げられない者は、主に「歩容改善」を目的にトレッドミルを使えば、いいということです。
歩行は、膝関節や足首関節を適切な角度に保つだけで、あとは軽く力が上からかかるだけで楽に歩くことが出来るのがわかっています。
【参考記事】骨格と関節の形が適切ならば重力に任せるだけで、安定した歩行が実現
この膝や足首の角度を、体重をかけ先に作ってしまえば、楽に前に振り出せる。その練習にトレッドミルの低速歩行は最適だ。そんな確信です。
入院中から家庭用のトレッドミルの購入を検討し始めました。様々な機種を検討しました。問題はレーンの幅です。40cm前後のものが多いのです。リハビリ室のものは60cm以上あり、ぶん回し気味でも麻痺側が側面に当たることはありませんが、40cm以下では不安です。
決めあぐねていたある日2018年5月に発売されたばかりの上記のトレッドミルが53cm幅でした。値段も10万を切っています。「これだ!」と私は思いました。
退院日、帰宅してすぐ注文しました。
トレッドミルによる歩行リハビリ(7)9~13日目 トンネルの出口が見えた [脳卒中ブログ村]
9~14日目
トレッドミルは更に速度を落とし時速1.0kmで10分程度です。これでもたまに、話し声がしたり汗が目に入ったりして集中力をなくすと、うまくいかないことがあります。
それでも男性看護師T君のアドバイスにより前後のストレッチを倍の30分ほどかけるようになりました。
徐々に1.0kmを楽に歩けるようになってきました。この速度は、足腰の弱った高齢者より遅いくらいの速度なのですが、このスピードでゆっくり歩いていると足のつっぱり、痙性が少しづつ落ちていくのです。
後半は1.0kmから1.2km、更に1.4kmまで徐々にスピードを上げての10分歩行がこなせるようになってきました。やれやれです。長いトンネルの出口が少し見えた気がしました
それじゃ~続きはまた。
慢性期になっても、障害の回復、歩容の改善はある。 [脳卒中ブログ村]
私の知人に、脳卒中片麻痺で慢性期の人が2人います。もう友人と言って良いほど頻繁に交流する仲です。
私を含めた3人の共通項は、同じリハビリ医にかかっていること、左片麻痺の慢性期であること。痙性に苦しめられたこと。従って歩容(歩く姿)の悪さに悩んでいたことです。その為ボツリヌス治療を受けていたことなどです。
一人は、脳卒中発病後10年になるKさん(70才)です。回復期病棟でご一緒でした。麻痺側の指が多少動くこともあり、CI療法、磁気治療など積極的に取り組まれました。Kさんも私と同じ視床出血だったため同じように視床痛(中枢性疼痛)にひどく苦しみました。kさんの場合は慢性期に視床痛が突然生じ(雨の日、東京で6時間外をうろうろした後)、1年近くリハビリが出来ない状態が続きました。当然痙性は進み、歩容も荒れました。最近は川平法によるリハビリを受けるため年1回入院されています。
もう一人は、発病後7年になるWさん(55才)。ロボットリハビリ入院時、同じ部屋になりました。wさんも障害が重く痙性がきつく「内反尖足」に苦しめられ回復期で退院した時には車椅子であったということです。その後ボツリヌス治療、さらにアキレス腱を伸ばす外科手術である腱延伸手術(ocsscss)受けておられます。Wさんもボツリヌス治療の後のリハビリで年1回入院されてきたそうです。
三人が共通して苦しめられているのが痙性です。ブログ村で「フニャフニャ状態を維持して」など度々気楽に口にする御仁がおられますが、障害が重く思うように手足が動かない我々からすると完全に机上の空論です。
そうでないというのなら重度の障害者にも効果があるフニャフニャ状態を長く維持する具体的方法・リハビリメニューを示してもらいたいものです。そもそも痙性は、脳の損傷が原因ですので、ストレッチは一時的です。
こんな我々ですので、長くスムーズに歩くことが出来ませんでした。ほんの2年前は3人とも姿勢の歪んだ歩き方だったのです。
しかし2017年夏の今の状態は、Kさんは装具・杖歩行ですが、余計な力が入らない非常に軽やかでスムーズな歩行を身に付けられました。今回、私の入院見舞いに来てくれた際にその軽やかな歩行に本当に驚かされました。
一方wさんは短下肢装具はつけられていますが、杖は突かず、姿勢が真っ直ぐで、安定感のある力強い歩行です。
三人の中で最後まで歩容の悪かった私ですが、今回のロボットリハビリ入院をきっかけに、歩容が改善されてきました。大学のリハビリ学部の理学療法科の先生に、お墨付きを貰えるところまで改善されてきました。
ですから慢性期になっても、たとえ痙性に苦しめられた時期があっても、リハビリを継続すれば障害の回復、歩容の改善はあると言う事です。もちろん我々が55才、60才、70歳と比較的若いこともその一因ではあると思いますが。
我々に試行錯誤はつきものです。たとえ今痙性に苦しめられていても、希望は捨てないでリハビリに取り組みましょう。
トレッドミルによる歩行リハビリ(6)7~8日目 救いの手 [脳卒中ブログ村]
7~8日目
今度は、時間をうんと短くする事になりました。一回20分を思い切って5分に短縮です。
代わりに速度を1.4kmから1.6kmに若干上げました。この日は、(1.6km✕5分)を2本何とかこなしました。
しかし、翌日、筋緊張・突っ張りは一層強まり、1.6kmを5分をやり遂げることが出来ませんでした。
いよいよこれで万事休すか!?もはや絶体絶命です。
病室に帰って、元長距離ランナーで高校駅伝の名門校出身の男性看護師T君に、わらにもすがる思いで、現在の状況を打ち明け相談してみました。彼の答えはこうでした。
メガネさん、激しい練習をしてもタイムが伸び悩むときがあります。「もうだめだと」そのまま諦める人間もいます。焦ってさらに激しい練習をして結局怪我をしてしまう人間もいます。
ここは我慢です。練習量は今のままで増やさずに、前後のストレッチの時間を倍にしてみてください。
こんなアドバイスをくれました。 まさに救いの手です。
それじゃ~続きはまた。
トレッドミルによる歩行リハビリ(5)5~6日目 天国から地獄へ [脳卒中ブログ村]
トレッドミルリハビリの第1週で早くも著しい効果が表れ私は、天にも昇る気持ちで、嬉しくて仕方ありませんでした。
しかし「禍福はあざなえる縄のごとし」といいますか、翌週には、あっという間に天国から地獄へまっさかさまに落ちたのです。
翌週(5~6日目)になると、足が激しく突っ張り、全く前に出なくなったのです。もちろんセラピスト(理学療法士=PT)がすぐにトレッドミルを止めました。セラピストもボー然としています。
少し休んで、再チャレンジするのですが、やっぱり駄目です。
翌日は速度を1.8kmから1.4kmまで落としましたが、10分程度が精一杯です。3本やりましたが全て途中でトレッドミルを止める事態に陥りました。セラピスト(PT)も慌ててリハビリ医に相談に走りました。
もはやこれまでか!?
トレッドミルによる歩行リハビリは中止せざるをえない。そんな状況です。
私はこの暗転に情けなくて仕方ありません。なぜ、急にうまくいかなくなったのか!?どう立て直すのか?頭は混乱するばかりです。
それじゃ~続きはまた。
脳卒中片麻痺を生きる(3) 鶴見和子 老いや障害に対して自分の持っている可能性を引き出す [脳卒中ブログ村]
老いや障害に対して自分の持っている可能性を引き出すということが大切
◆私はこれを「内なる埋蔵資源」と呼んでいます。
私の場合回生していく上で、忘れていた短歌に助けられた。同時に娘時代に習った日本舞踊の稽古がリハビリを続ける時にとても有効に働きました。 踊りはアメリカ留学で中断しましたが、60を過ぎてから再開しました。
◆リハビリは10日休んだらもう歩けなくなるほどです。だから毎日繰り返しやることは絶対条件。踊りもまた稽古、稽古の連続で同じことを飽きずに続けることが必要です。この習慣を体で身につけていたからこそリハビリを「つまらない」と考えることなく続けられたんだろうと思います
埋蔵資源のない人はは一人もいません。
◆「埋蔵資源のない人は一体どうしたら?」、そんな人は一人もいません。
◆私の場合、たまたま分かりやすい形で短歌と踊りが表面に出てきましたが、それこそ生命の起源までさかのぼれば、 DNA という形で無限の埋蔵資源が刷り込まれている。その中には元気で活動している時は忘れて奥深くに眠っていたものもあるはず 。それが加齢や病気で自分の内側に目が向くことで、あるいは生理的な回路が変わることで掘り起こされてくるのです。
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前回も述べましたが、歩行に関して「毎日繰り返すことが絶対条件」という今回の言葉も、「毎日がむしゃらに頑張って歩く」ということとは全く違います。
上田理論は「少量頻回訓練」を柱としています。オーバーワークを何より恐れます。
脳卒中片麻痺を生きる(2) 鶴見和子 歩けることの大切さ [脳卒中ブログ村]
毎日必ず歩く練習をする
◆歩くことはリハビリの目的を満たすだけでなく、頭が活性化され仕事がはかどるという効果があります。 私がこうして 仕事を続けられるのは、国際リハビリテーション学会の会長をされていた上田敏先生のおかげなんです 。
◆もし先生に出逢わなかったら、車椅子だけの余生を当然と思っていたでしょう 。他の先生からは「もう歩けません」と言われってましたから。
◆それまでを障害というマイナス価値を認めた上で、努力しようと考えていたのですが 、歩けるようになって以降は、 老化や病気をもたらしたプラス価値に目が向くようになったのです。上田先生は障害を受容することで新しい価値を創造するのだとおっしゃる。
◆ 肉体的な回生がが精神的回生につながりました 。上田先生のリハビリテーション理論は可能性の理論なんですね そしてこれは私の「内発的発展論」にも通じるもの です。
◆この病気の方に申し上げたいのは、歩けないと言われても決して諦めず納得いくまで病院を訪ねいろんな医師に相談することですね。
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ここで注意が必要なのは、「毎日必ず歩く」ということです。これは、「毎日がむしゃらに歩く」ということとは全く違います。上田理論は「少量頻回訓練」を柱としています。オーバーワークを何より恐れます。
それじゃ~続きはまた