我々片麻痺障害者には、生活するなかで、苦手なこと、できないことが数多くあります。生活動作の中には、紐を結ぶなど両手を使わなければできないことが多くありますのでそれは当然です。




訪問介護を受けておられる方もおられると思うのですが、意思疎通がうまくいかないでイライラすることも多いと思います。




そこで出来ないこと、苦手なことの一覧表をつくってみてはいかがでしょうか。




 




これは義父が70歳で脳梗塞で倒れ、85歳になった今も訪問介護を受けながら一人暮らし続けているのですが(娘である我が妻が日常をサポートしています)、そこで見聞きしたことに触発され考え出したものです。何も仕事の様に厳密に考える必要はありません、チラシの裏などにまず気楽に書いてみましょう。自分の生活動作の見直しにも役立ちます。




 




 




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■生活動作表(出来ないこと苦手なこと )




(評価)




×・・出来ないこと ▲(できにくい)苦手 △(何とかできるが)苦手  




(項目)出来ない、苦手なことの内容




解決策)・・どのような解決策を考え実施しているか。うまくいっているか




(備考)・・その他




 




事例(わたしの義父)




(評価)(項目)              (解決策)(備考)




× 買い物           週一回は介護保険で買い物依頼。他娘に依頼




× 紐を結ぶ          靴ひもは「片手で結べる紐」をAmazonで購入予定




× 紐をほどく         スーパーの袋は結ばれるとほどけない。




× ゴミ出し          娘に依頼




× 床に置かれたものをまたいで通る 床に物を置かない




× 封筒に書類を入れ郵送    役所への提出書類の場合は注意!娘に依頼      




× 銀行でのATM出金      娘に依頼




▲ ハンガーに洋服をかける   洗濯物は片手で干せるハンガー購入。




▲ 電気コードを差し込む    キャリアカーの充電等差し込み口には挿入できない。




▲ ふたを開ける        ペットボトル、かんずめ




▲ ふたをとる。        汁物、カップめん




▲ 置いた場所を記憶する    物を動かさない




▲ 電話に出る         固定電話は直ぐに出れない。




                連絡は携帯(通話、ショートメール利用) 




△ 薬の袋をやぶる       抑える道具を自作も苦戦




△ 郵便物(封筒)の開封    抑える道具を自作も苦戦




△ゴミ箱にゴミ捨てる      ゴミ箱の位置を身近に




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介護職でも想像力に乏しい方もおられます。新しい介護職の方が来られると、まずこれを渡すのです。そうするとこちらの状況もイメージしてもらいやすいのです。




買い物に関しては、特定の銘柄が欲しい場合、商品の包装袋を保存しておいて見せるようにしています。




 




これ自分用にも作ると、出来ること、出来ないことの生活動作の確認とともに、脳にインプットされ、解決の思わぬ気づきを得られることがあります。次回からはこの一覧に基づいて個々の動作の改善を検討していきます。補助具を使った改善も「片手で使う道具」シリーズでご紹介いたします。