その若い理学療法士は、偶然私の次男と同じ高校の同級生であった。大学を卒業して2年目の24歳である。リハビリを担当している高齢者に盛んに高校時代の野球部の話をしており、それを聞いて、息子と同じ高校の同級生とわかったのである。




 



それで彼のことが何となく気になった。見ていると担当は高齢の男性がほとんどである。問題は、どの高齢者にも、「僕は高校の時、野球をやってましてね。それでこんなトレーニングをやっていたんですよ」と野球の話オンリーなのだ。そもそもリハビリはトレーニングなのか!?




 



相手が野球に、興味があるかどうか、などお構いなしである。コミュニケーションをとるべき相手に、ひたすら自分の話をする。「困った入院患者」とこれは同じである。一方的に話すだけではコミュニケーションはとれない。




 




 




学校の理学療法士科ではこういったこと教えられないのだろうか、また先輩の理学療法士は、注意しないのだろうか。不思議で仕方ない。彼は、これから多くの患者のリハビリを担当しなければならないのである。お山の大将でどうする。




 



私は理学療法士の先生に対してもはっきり物を言う。今回も私がトレッドミルを必死でやっている後方で、理学療法士同士が話をしているので私は吠えた。こちらが曲がらない膝で、転倒の恐怖に耐え必死でレーン上を歩いているにもかかわらず、セラピスト側には真剣さが足りないのだ。




 



もし私の息子がこの元野球部君で、この環境にあと10年もいたとしたら・・想像すると暗い気持ちになってきた。




 




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