前回三好春樹先生の、3つの軸で個人を考えると、典型的な3つのタイプに分けられると言う話を紹介しました。

3つの軸とは「社会的人間関係軸」、「家族的人間関係軸」、「自分自身との関係軸」です。



それに基づいて3つのタイプを考えてみました。タイプⅠは「会社人間」タイプ。タイプⅡは「マイホーム」タイプ、タイプⅢは「自己追求」タイプです。



それで今回は、それぞれのタイプごとの特徴を明らかにし、脳卒中片麻痺となった我々が、どう関係を向上させるか、そのアプローチ方法を考えてみたいと思います。






















Ⅰ.「会社人間」タイプ



脳卒中で片麻痺となり会社復帰ができないと、社会的人間関係はあっさりなくなります。定年経験された方はよくご存じだろうと思いますが、大変これもろいのです。特に現役世代との関係はあっさりなくなります。



そこでどうするかですが、まず家族的関係の修復です。これができるかどうかが最大の課題となります。妻を自分をサポートする単なる機能だと考えていた場合は最悪です。病気前の家族関係が悪いと、「ぬれ落ち葉」と忌み嫌われるのが落ちでしょうか。




でも母なる女性は、こんな会社人間で、片麻痺障害者となった夫を支えているケースも多い。本当にありがたいことです。私も妻には大感謝です。もう一生頭が上がりません。



社会的関係に関しては、これまでの会社関係はスッパリあきらめ、別の社会的関係を築く必要があります。その際「昔の名前で出ています」は絶対いけません。そんなもの新しい人間関係では全く役に立たないどころか元凶となります。昔の社会的地位はきっぱり忘れ一個の人間性のみで勝負する気概が必要です。




Ⅱ.「マイホーム」タイプ

家族との関係が良い男性は、他のタイプと比べると経済的基盤が安定しておれば、比較的良い状況だと思います。ただ子供の独立等で家族関係も変化していきます。そこで社会的関係を広げることも重要になります。そのためには「優しい」は最大の強みではありますが、個性も必要です。趣味などに打ち込むなど「自分づくり(個性づくり)」も大切であろうと思います。




問題は専業主婦をされていた女性です。夫が上記の「会社人間」タイプで現役。しかも妻を自分をサポートする単なる機能だと考えていた場合は最悪です。さらに理解のない姑と失語症が重なると、状況は大変厳しいです。どうすべきか、精神的ケアも含め親族の援助など必要にもなってきます。




Ⅲ「自己追求」タイプ



このタイプの中には、全く正反対のタイプが混在しています。良いタイプと悪いタイプです。良いタイプとしては他人に迷惑かけない「趣味」において高い水準を究める等の「自分づくり」タイプです。悪いタイプは「関係破滅」タイプです。



「自分づくり」タイプは、脳卒中で片麻痺となった後でも、利き手と逆の手で書道にいそしみ素晴らしい作品を発表されるような方で、自信と誇りを自らの手で取り戻すタイプです。こんな前向きな方はそう心配する必要はないとおもいます。



一方、「関係破滅」型の悪いタイプですが、具体的には「さすらいのギャンブラー」タイプや「オタク」タイプがいると思います。



昔は破滅型の「さすらいのギャンブラー」が多くいました。ギャンブルと借金、それに酒も当然ついてまわりますから、家族関係はとっくに崩壊しているケースです。経済的基盤ももちろんありませんから、もう「自己破産」して親族の援助に頼るしかないケースです。

ただ個性があり、面白い奴と思われることも多いので、暴力的でなければ再出発し社会関係をあらたに築くチャンスはあります。



現代的な「オタク」はどうでしょうか、キャラクターグッズの収集くらいはいいのでしょうが、女房・子供そっちのけでゲームに熱中してきた男。これから脳卒中で片麻痺障害者でもこのタイプが増えていくのでしょう。経済的基盤があることを願うばかりです。何十年ゲームをやり続けてきた人の脳ってどの様になっているのでしょうか個人的には興味あります。




以上3タイプ別に検討してきましたが、基本的には家族関係を基盤として、自分の自信と誇りを取り戻すために「自分づくり」に励み、さらに、新たな社会的関係を目指すことが共通したアプローチ方法と思われます。



まだまだ面白そうな気づきが沢山得られそうですが、長くなりましたので一旦置きます。




それじゃ~また。