今回も教科書(「男と女の老い方講座」三好春樹著)からです。「片麻痺障害者となった女房を介護」している方はもちろん、そうでない方は「介護」を「リハビリ」と読み替えて、読んでください。

  

それにしても「男の特性」が良くとらえられており、思わず笑ってしまいました。

 

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男の介護は生きがいになってしまう。これが問題だ。

定年になって、それまで生きがいだった仕事がなくなった男性にとってはこれは新たな生きがいになる。

 

介護を生きがいにするのは悪いことではない。しかし日本の男性が仕事一筋に打ち込んで ワーカホリック( 仕事中毒)と呼ばれているのと同じやり方で介護をし始めるから問題なのである。

介護目標を設定しそれに向かってがむしゃらに頑張るのだ。

 

ちょうど売上目標の達成に向けて残業もいとわず働くサラリーマンのように。

 その目標には歩行を可能にすると言った機能動作の自立が選ばれることが多く。

その大半がまずは無理な目標であることが多い。

 

目標が達成できそうにないとなると、自分はこんなに頑張っているのに成果が出ないのは本人が悪いからだ

 と妻に無理やり筋力増強や関節を広げる訓練を強要したりすることにまでなってしまう。

  

記録も実に丁寧につけてある。

 元銀行員の夫の介護記録は分厚い大学ノート一冊が1年間でもう7冊目であった。

聞いてみると血圧、脈拍から水分の摂取量、尿量まできっちりと記録してある。

 

オタクと呼ばれるのは男性が多いように、この世界でも介護オタクが男の介護の特徴である。

生きがいにしてしまうにせよ。オタクになるにせよ。

 

介護している自分を確認することが一番の目的

 

になってしまって肝心の介護される側の気持ちを考えなくなるというものが困ったことである。

真面目な人ほどそうなると困りものである。


そうした男達の介護と比べると女の介護は総じていい加減である

目標なんて立てないし、記録もとったりしない。

どうやら女は、男の側から見ると無意味に見える同じことの繰り返しに耐える能力が高いらしい。

家事をやってきたせいだろうか

 

男はそれに耐えられなくて目標を立てて、介護を仕事のようにして乗り切ろうとするのだろう。

それにしても女の人はお互いに愚痴をこぼしやってケアするが、 男は愚痴を言わない。弱みをそう簡単には見せないのだろう。年をとれば総身弱みだらけになるのだけれど。

 

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介護とか、リハビリは、女性の方がその特性から合っているような気がします。

 

特に慢性期は。これから老いて体がますます弱っていく中でも、いやになって投げ出さず。粘り強くリハビリを続けていくのは女性かも知れません。

 

年を取れば目指すべきは、おしゃべりで、こだわらない「おばちゃん」なのでしょう。

 

それじゃ~また。