(1)片麻痺ストレッチ
★「エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション」
ピーター・B・レビン著
この本は同じ脳卒中ブログ村の「neoblacks」さんのブログ記事により教えていただいた本です。OSDさん、ありがとうございました。
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筋は、引き伸ばされて損傷することを防ぐために痙性を活用する。
痙性は筋の運動範囲を制限する。そして手足をより硬くする。
メリットは筋にある程度の緊張状態が得られることである。
デメリットは動かすことが困難になるということである。
筋緊張が強くなればなるほど不動状態を強いられる屈筋群(各関節を曲げる筋群)と伸筋群(各関節を伸ばす筋群)の両者が脳卒中後に痙性を呈する。特に脳卒中後はより屈曲する方向に力が動員されやすい。このためにそのような屈曲の活性化により典型的な片麻痺姿勢となっていく 。
2.ストレッチは、痙性を一時的に止めることができる。
セラピストや他の医療従事者においてこの事は共通の見解である。
痙性は、脳の問題であり筋だけの問題ではない。数多くストレッチをやったからと言って永久に痙性を止めることはできない。しかしながらストレッチにより短期間であれば痙性を止められることは研究でも報告されている。
3.ストレッチは回復に向けて努力する際に伴う痛みなどを緩和することができる。
回復を促進するための反復練習は普段活用できていない筋を働かせる方法であるこれにより痛みを引き起こす可能性がある。
ストレッチはこの痛みを軽減して排除することも可能である。
4.トレッチは自身に非常に有益である。
柔軟性を維持することは身体の若さを保つことができる。また麻痺の影響が少ない側(非麻痺側)の体幹や手足にも良い影響を与える。
5.ストレッチは筋と関節を正常な健常な状態に維持してくれる 。
脳卒中後の問題の一つは手足が十分な関節可動域(R0M)をもって動かせないことである。脳卒中を患うと麻痺側のR0Mが制限される。したがって脳卒中後は特に筋や関節を動かして健康状態を保っておく必要がある。
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ストレッチを始める前に、痙性が起こるメカニズム、ストレッチの効果と限界(一時的)を把握しておきましょう 。
【参考記事】 シリーズ「室内自主リハビリ」を始めます